MUKU-DATA  杉 柾目 2枚ハギ テーブル、座卓、カウンター  新潟県 R様
昨日、完成した杉の柾目で作ったテーブルなどをお届けしてきました。
ご要望は木々しいものよりはアッサリとシンプルなもの、
尚且つどこか控えめで上品さを求めていらっしゃるように受け止めました。
一枚のイメージの写真から始まり、
色んな材をご検討いただく中で、柾目の巾ハギがいいのでは?に達しました。
柾目だけでの製作は初めてのことです。
弊社は材木屋ですので、
お客様の求めるものをコストを含め整理して、
材を選び製作できるまでの絵にまとめる。
その製作物であれば、どこに頼むのが一番いいのか?
木工所さんでも得手不得手もありますし、
これなら大工さんにお願いした方が良い場合もあります。
そこらへんを整理してお客様が求めているものに近い状態まで持っていくこと
だから製作はそれぞれ作るものに寄って各所へお願いしている感じです。
出来上がったものの販売なら、そこにその物があるので
それが好きかどうか?価格に見合うかどうか?で
判断していただけるのですが、
ゼロから作ると特注品は、いかに出来上がりのものを作る前にお客様に想像してもらい
お客様の完成イメージとこちらの出来上がるもののイメージが一致しているかどうか?
そこを何度も擦り合わせる作業が必要かと思います。
更に言えば、イメージが同じであることは当たり前、
イメージ以上の何かをプラスできてこそなんぼなんだろうと思いますが・・
そこは能力不足で、未だイメージ以上がなかなか浮かばずにできないでいます。
テーブルの脚も柾目使いの板脚
デザイン的には特に凝ったものはなく、極シンプルに丈夫に。
弊社の倉庫や木工所で見ると、いまいち映えないのですが、
お店の写真は撮ってきませんでしたが、
モルタルの床に古い木の家具も多く、とれも素敵なお店でしたので、
柾目の奥ゆかしい静かな表情は、個人的にはとても良く合っていたかと思っています。
取りあえず無塗装で使ってみることにすると言われていました。
良いかと思います。
触った質感、薄っすら香る杉の香り、今は窓から見える新緑、
どれも心地よさを感じます。
色が変わった古いけど大切にされている杉の家具たち、
そして新たに加わった新しい杉の柾目のテーブル
古いものと新しく必要なものが同居してて
なんだかいいなぁ・・って眺めていました。
どの組合せで何を作るか?
何度も写真を送ったり木材倉庫で現物を見ていただきました。
製作途中で脚のバランス、下に取り付ける幕板など
バランスと強度を確認しながら
製作者とお客様の間を行ったり来たりして調整します。
最終確認、
強度や精度、仕上げなど最終確認
製作者さんが気を使ってくれて、一部鋸で落とした辺材部分は
敢えてサンダー掛けせずに帯鋸目のザラザラ感を残したそうで・・
サンダーをかければ直ぐにスベスベになるのですが
どうしましょう?と・・
以前に行った料理屋さんの神代欅のカウンターの事を思い出した。
色の浅い茶神代で杢目もそう良くはなくごく一般的な欅だったのですが
木のカウンターって大体触る人が多くて
私も人と話をしながら無意識に触っていたのですが
その裏面が仕上がっていなくてザラザラした質感だったのが、ずっと印象に残っていて・・
きっとそれは意図的にではなく裏だからまぁこれ位でいいだろうレベルの事だったとは
思っているのですが、
普通は裏も仕上げるので表と同じような質感が当たり前のはずが、
あのザラザラ感が妙にしばらく残っていたことを思い出しました。
という事で、気をきかせてくれた帯鋸目残し
そこだけザラっとした質感、
ここを訪れた人のあれ?っていう印象に残ってくれればと、
そのままで納めさせていただきました。
いつか、明らかに「あれ?」っていう木の質感を
意図的に残し印象に残させる仕上げも
やってみようと思っています。
約D400mm柾目カウンター2台
つなげれば2.7mの大きなブックマッチ(左右対称)のテーブル
必要に応じて使い分けるそうです。

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